夏バテを助ける漢方2025年08月22日
夏バテとは?

『食欲がない』『体がだるい』『眠れない』・・。これらは夏特有の体調不良、【夏バテ】の典型的な症状です。
日本の夏は高温多湿で、体温調節機能や消化機能に負担がかかり、体力を奪います。
夏バテについて、西洋医学・東洋医学の視点から解説していきます。
西洋医学の視点
《体の水分とミネラルバランスの崩れがカギ》
西洋医学では、夏バテの原因として以下の点が指摘されます。
①自律神経の乱れ:室内外の温度差により交感神経と副交感神経の切り替えが乱れる。
②脱水と栄養不足:発汗により水分・ナトリウム・カリウムが失われる。
③胃腸機能の低下:冷たい飲食が胃腸を冷やし、消化機能が落ちる。
《対策》
①こまめな水分・電解質補給(スポーツドリンクなど)
②ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、自律神経を整える。
③タンパク質とビタミンB群を多く含む食事を心がける。
東洋医学の視点
《暑邪・湿邪による気と脾のダメージ》
東洋医学では夏バテは『暑邪(しょじゃ)』と『湿邪(しつじゃ)』という自然界の邪気が体に影響を与えた結果と考えます。
〇暑邪:体液を消耗し、気(エネルギー)を弱らせる
〇湿邪:消化吸収を担う脾(ひ)の働きを低下させる
《主な症状》
・だるい・倦怠感:気虚(ききょ)=気の不足
・食欲不振:脾虚(ひきょ)=消化機能の低下
・冷たい飲食の摂りすぎ後、冷える:寒湿(かんしつ)が内臓を冷やす
おすすめの漢方薬
①補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲れやすく、胃腸の働きが落ちている方に。
体の気を補い、脾(胃腸)の働きを助ける。
②清暑益気湯(せいしょえっきとう)
夏バテ対策の代表処方。
暑さで気が消耗した時に、熱を冷ましながら体力も補う。
③六君子湯(りっくんしとう)
胃腸が弱く食欲が落ちている方に。
胃のむかつき、軟便下痢にも。
脾を補い、気を巡らせる。
④藿香正気散(かっこうしょうきさん)
湿気や冷飲食で胃腸が不調になった時に。
体内の湿を取り、消化を助ける。
⑤生脈散(しょうみゃくさん)
汗をかき過ぎて体力消耗した時に。
動悸や息切れにも。
《食養生のすすめ》
東洋医学では『薬食同源(やくしょくどうげん)』の考え方があります。
普段のお食事で何をどのように摂るかを意識して、日々胃腸を労わって過ごすと、夏バテ防止に効果的です。
〇体がほてる⇒キュウリ、トマト、すいか等を
〇お腹が冷える⇒生姜、黒酢、温かい食事を
〇食欲ない、元気ない⇒山芋、白米等よく噛んで食す
〇胃がつっかえる⇒大葉、みょうが等を
〇飲酒、飲食の機会が多い⇒三七人参、サンザシ等を
夏バテは『冷やしすぎ』『食べすぎ』『働きすぎ』が引き金になります。
クーラーでの冷やし過ぎ・食べ過ぎ飲み過ぎ・過度な疲労は避けて、夜はゆったりとお過ごしくださいね。
現代的な知恵も東洋医学の知恵も活かしながら、自分の身体の声に耳を傾けて、健やかな夏を過ごしましょう。
上記の他にも、夏バテに対処できる漢方薬はたくさんあります。
合う漢方は人それぞれ異なります。お気軽にお問い合わせください。
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