漢方で「血」を知ろう2026年01月09日
「血」で体を潤し、こころを安定させよう
みなさんは、肌の乾燥、くすみ、月経リズム、集中力、精神不安、疲れなど、気になったことはありますか?
そのサイン、実は「血」の状態と深く関係しているかもしれません。
漢方では、健康のカギを握るものとして「気・血・水」という3つの要素が重視されます。
これらがバランスを取りながらしっかり巡っているとき、人は心身ともに調子がよく過ごせると考えられます。
本シリーズでは、「気・血・水」の第二弾として「血」をテーマに、血が不足したり滞ったりしたときの症状、原因、そして日常でできるケア(漢方・養生)を紹介していきます。
「血」とは?
漢方でいう「血」は、体をめぐる血液であると同時に、身体と心をしっかり養う働きをもつ存在です。
「血」には、
・肌、髪、爪をうるおす
・筋肉や臓腑に栄養を届ける
・月経や妊娠を支える
・気持ちを落ち着かせる
などといった働きがあります。
そして、前回扱った「気」とは深い関係があり、
気が血を流し、血が気を養う、といった相互関係があります。
「血」の不調で現れる3つのタイプ
血のバランスが乱れると、次のような状態になります。
①血虚(けっきょ)
血が不足し、体がうるおいを失った状態。
症状→顔色が白い、つやがない、めまい、不眠、夢が多い、月経量が少ない、遅れるなど。
慢性的な疲労や、過度のダイエット、出産後、月経過多の方に多いタイプです。
②瘀血(おけつ)
「血」の巡りがわるく、滞りが生じた状態。
症状→痛み(頭痛、腹痛、腰痛、生理痛など)、肌のくすみ、クマ、手足の冷えなど。
デスクワーク、冷え、ストレス、加齢などで起こりやすく、放っておくと慢性化しやすいタイプです。
③血熱(けつねつ)
血が熱を帯び、ほてりや炎症が出る状態。
症状→のぼせ、ニキビ、肌荒れ、出血、口の渇きなど
ストレスや過労、辛いもの、アルコール過多で悪化する人も。
血の不調はこれら一つだけで出ることもありますし、複数が重なって現れることもあります。
「血」の不調はなぜ起こる?
「血」が乱れる理由はひとりひとり異なりますが、以下のような要因がよく関係しています。
①血虚(けっきょ)を招く原因
・月経、出産、授乳による失血
量が多い、期間が長い、産後などは血を大きく消耗します。
・慢性的な疲労、睡眠不足
血は夜につくられます。睡眠不足は血の生成量を大きく減らします。
・胃腸の弱り
漢方でいう「脾(胃腸)」は血をつくる場所とされますが、食べても血をつくる機能が弱っていると、血虚がすすみます。
・長期の病気、精神的ストレス
慢性病や不安・緊張状態も血をじわじわ消耗します。
②瘀血(おけつ)を招く原因
・冷え
冷えると血管がぎゅっと縮み、血が流れにくくなります。
・長時間の同じ姿勢、運動不足
デスクワーク、車移動が多い方は要注意。
・強いストレス、イライラ
身体の「気」の流れが停滞し、血行も悪くなります。
・加齢
年齢とともに血の推動力が弱り、停滞しやすくなります。
③血熱(けつねつ)を招く原因
・イライラ、ストレス負荷
感情の高ぶりは体の中で熱を生じやすく、血にも熱が影響します。
・辛い物、アルコール、油物の取りすぎ
外からの熱が入ると、内部で熱化しやすくなります。
・不規則な生活、夜更かし
夜更かしをすると、体を冷ます力が弱り、熱がこもりやすくなります。
日常でできるケア(養生・漢方)
日常でできる養生について紹介していきます。
◎血虚タイプ:まず「補う」ことが大切です
・温かい食事を中心に。
・ほうれん草、赤魚、お肉など良質なたんぱく質、鉄分(レバーや黒ゴマ、豆類など)
・しっかり睡眠
・過度なダイエットに注意
よく用いられる漢方
・四物湯
主に血をつくり、つくった血を巡らせてあげる漢方です。
・当帰芍薬散
冷えがあり、胃腸が弱いかたでも飲める漢方です。
◎瘀血タイプ:温めて巡らせましょう
・紫蘇や薄荷など香りのあるもの、かんきつ類、玉ねぎ、ピーマン
・入浴で体をあたためる
・軽い運動、ストレッチ
・背中、肩をゆるめる(ここが固いと全身の巡りが滞りやすい!)
・冷たい飲み物の取りすぎに注意
よく用いられる漢方
・桂枝茯苓丸
全身の血の巡りを改善します。
◎血熱タイプ:熱を冷まし、炎症を落ち着けましょう
・春、夏野菜は熱を取ってくれます。他にも果物や、青汁も取り入れてみましょう。
・辛いもの、アルコール、油物は控えめに
・のぼせを避け、ゆるやかな運動を
よく用いられる漢方
・黄連解毒湯
体にこもっている熱をとる漢方です。
自分がどのタイプか迷った方は、からだの全体的な「血」を整える三七人参がおすすめです。
三七人参は、滞った血を巡らせながら、必要な血をしっかりと守る生薬です。
「血」の不調は、血虚、瘀血、血熱など、単一ではなく複雑に絡み合って起こることが多く、三七人参はそういった「血」のめぐりの不調を整えてくれます。
血を整えるとどうなる?
血が適切に巡る・不足が補われると、体もこころも軽くなります。
・肌のうるおい、ツヤが出る
・冷えやのぼせが改善
・月経リズムが安定
・集中力、落ち着きが戻る
・くすみ、疲れ感がぬける
そして何より、
「血」が整うことによって「気」と「水」が整い、全体として調和のとれた軽いからだになります。


